・Bさんは私にだけ厳しいな…
こんな場面、ありませんか?
その悩み、きっと解消できますよ。
介護現場では、人間関係のトラブルが起きやすいと言われます。
介護士の退職理由の上位は、給与の低さ、
そして人間関係のトラブルです。
ただでさえ少ないスタッフです。
円滑な仕事をするには、スタッフ間の連携が必須です。
結果として、ストレス過多となり自分や同僚を責める気持ちが芽生え、退職の文字が脳裏に浮かび始めます。
ここまでは誰でもある反応です。
問題は、ここからどうするのか?
自分が辞めるのか?
そのスタッフの辞職を末永く待つか?
それも方法の1つですが、情報と行動次第で
現状を改善できるかもしれませんよ。
そこで今回は、「介護現場の人間関係の悩み」における「原因と改善策」を現職介護士のリアルな目線で解決します。
本記事を参考にすると、介護現場の人間関係の悩みを改善でき、仕事のやりがいや楽しさの向上が狙えます。
記事の内容
・介護現場における人間関係の悩みの原因は何?
・介護現場における人間関係の悩みを解決方法は何?
・現役介護士(私)の実体験での失敗談と成功談
記事の信頼性
・現役のデイサービス生活相談員 兼 介護士
・金融機関から転職し、高齢者デイサービスに勤務8年目
・有資格:社会福祉士、介護福祉士、介護支援専門員
かいご畑はこれから介護士を始める方に重要な資格 ”介護職員初任者研修" を働きながら無料で取得することができるのでおススメです。
なぜ介護現場には人間関係の悩みが多いのか?
引用:平成24年度社会福祉士・介護福祉士就労状況調査
上記のデータは現場の介護スタッフが辞職した理由です。
注目は、左から3番目の「職場の人間関係に問題があった」です。
介護現場には人間関係が非常に重要で、失敗すると退職にまでなりえるということですね。
では、介護現場で良い人間関係を構築するには、何が難しいのでしょうか?
1つずつ見ていきましょう。
利用者の情報共有はできるが、行動共有は難しい
利用者の身体・精神状況は日々、変化します。
最新状況を申し送りをすることで、スタッフ間の情報共有を図ります。
問題は、申し送りは情報共有は可能ですが、行動の共有が難しいことです。
理由は、個々のスタッフで行動倫理が異なるからです。
(例)
「ある認知症の利用者が最近、昼夜逆転傾向にあります」との申し送りがあったとします。
ある日の日中、その利用者が少し眠そうにしています。
スタッフとして、どう対応するのが正解なのでしょうか?
スタッフA:昼夜逆転しているのだから、少し眠そうだが、日中はずっと起きておいてもらおう
スタッフB:脳機能に昼寝は効果的と言われている。だから、30分ベットで寝かせてあげよう
どうでしょうか?
どちらも正解で、間違いではありませんよね?
ただ、お互いが相手の行動を知った時、倫理のズレが生じます。
「こうするべき」をお互いに話し合えたり、許容できればいいのです。
しかしコミュニケーションが足りていないと、マイナスな感情として問題視してしまいがちです。
さらには、「文句」という形で別のスタッフに告げ口をするなど、最悪なシナリオにもなりえます。
スタッフが10人いれば、2人とは相性が合わない(パレートの法則)
心理学や経済学で使われる「統計的」な法則です。
つまり、10人いれば、「好き」や「ふつう」と感じる人は8人、残り2人は相性が合わないということです。
つまり、介護現場が特別でなく、どんな職場でもあり得る現象なわけです。
ただ、介護現場で困るのは、少数のスタッフで現場を管理するため、どうしてもスタッフ間の密なコミュニケーションが必要になってくることです。
その点、相性が合わない人と長時間コミュニケーションをとり続けることになり、正直しんどいですね。
複数の職種がいるため、仕事の境界線が引きにくい
介護現場には様々な専門職が存在します。
例えば、介護部と看護部、リハ部などの部門間などで、関係性が悪くなることがあります。
なぜなら、職種間の仕事内容は大枠では知りながらも、どの職種でも対応できる仕事を相手に期待してしまうからです。
(例)
生活相談員Aが食事中の利用者と楽しそうに話しています。
それを見て、食事介助中の介護職Bは、「そんなに話す時間があるなら、少しくらい食事介助を手伝ってくれればいいのに」と感じました。
しかし生活相談員Aさんはコミュニケーションをとりながら、家族からの問い合わせを本人に確認しているためでした。
お互いに目の前の仕事をしているだけなのに、辛いですよね。
では、それらの原因をふまえ、解決の方法を見ていきましょう。
介護現場の人間関係の悩みを解決する方法
自分側で解決できる糸口を探し、実行する
相手への不満を募らせても、問題は何も解決しませんよね。
相手に求めるのでなく、自分側で解決策を考えて、小さなこと・簡単に取り組めることから実行していきましょう。
例1)出勤して会ったら即、目を見てあいさつをする
義務的に言ったと思われたら損です。
どうせならプラスなイメージに捉えてもらいましょう。
例2)仕事の話でも雑談でもいいから、コミュニケーションの回数を増やす
心理学の『単純接触効果』を利用します。
その名の通り、話す頻度・会う頻度を高めることで相手が自身に良い印象を持つ現象です。
そもそも苦手な相手とそこまで話したいと思いませんよね。
長く話す必要はありません。
自身が感じたことを一言だけ言って、離れます。それを繰り返します。
そしたら、案外、苦手なスタッフ自身も感じたことを話してくるようになるものです。
(具体例)
例1)自分「利用者Aさんは食事があまり入りませんね。」→離れる
例2)自分「利用者Bさんはいつのまにか左前腕に皮下出血ができてましたよ。」→離れる
例3)自分「今日の利用者Cさんはかなりテンション高いですね。」→離れる
相手側のことはタッチしない
上記の対応策は自身ができる策です。
ただ、正直言って、やれることには限度もあります。
相手の課題に関しては、自身は何もする必要はありません。
(例)
苦手なスタッフの利用者に対する言動が強い。
↓
✖ 苦手なスタッフに自身が注意すると、関係性がもっと悪くなるリスク有り
↓
〇 上司にそれとなく話してみる。
同僚からの指摘は、2人の関係性の悪化の可能性がありますので、しない方が無難ですね。
しかしながら、上司から苦手なスタッフへの指導は、自身と苦手なスタッフとの関係性に影響がなく、利用者も守ることができます。
※告げ口に思われないよう、上司に配慮を願う必要有り
相手の立場に立って考える
当たり前のようで、実際はなかなか難しい課題ですよね。
ただ、一つ一つの行動を繰り返して習慣付けることができれば、対人スキルが格段に上がるのは言うまでもないでしょう。
【相手がなぜ、その行動をとったのか】
【自身が相手に何かを話す時、相手がどう思うか】
ヒトはまず、物事を主観的に捉えます。これは無意識にできます。
やるべきは、次に客観的に捉えることです。
客観的に見て、相手の言動の意図を汲み取ることで、自身が気付かなかったことを理解することができるかもしれません。
(例)
Aさんは事務的な仕事が遅れて、記録作業をしたいので、少し早めにフロアを離れたいと思いました。フロアも落ち着いているから、人員的にも問題ないようです。
そこで、苦手なスタッフBさんに「早めにフロア離れて事務作業してきます」と伝えたとします。
この時、Bさんはどのような気持ちでしょうか?
『早めにフロアを離れる』ということは、Aさんが事務作業が遅れていると理解できているでしょうか?
それとも、『現場は忙しいのにどうして?』と不満を感じていないでしょうか?
この場合、Aさんはフロアを離れる理由をBさんが察してくれるだろうと思っています。
そのため、気持ちのズレが生じやすくなります。
普段と違うことをする場合、相手に理由を伝えて、理解を得る必要があります。
『自身を客観視すること』は社会人として、また自己成長としてとても重要なことです。
方法は以上です。
しかし、どうでしょう? 正直、『ぴんとこない』のではないでしょうか?
なので最後に、私が人間関係の悩みを解決できた経験談をお話ししますね。
少しでも実感が湧いてもらえば嬉しいです。
私の経験した失敗談と成功談
あらら…失敗談
数年前、50代後半の女性Aさんが入職してきました。
原因は不明ですが、何かと私を避けようとし、極力話をしてきません。
もちろん、私も不快だったので、必要最低限の関わりしか持ちませんでした。
しかし、このままでは仕事が楽しくないので、Aさんに近づこうと試みました。
内容は、私とAさんの共通項のバレーです。
Aさんは地域のバレーサークルに所属していました。
私も大学でバレー部だったので、そのバレーサークルに参加させてほしいとAさんにお願いしました。
すると、Aさんにバレーサークルのある場所と時間を教えてもらうことができました。
しかしながら実際にバレーサークルに行くと、がっかり…。
結局、Aさんは私と関わりを持とうとせず、別のバレーサークルの方が私のお世話をしていただく結果となりました。
その後しばらくして私は異動になり、Aさんもいつのまにか退職していました。
最終的に、Aさんとは関係性を正常にすることはできませんでした。
しかしながら、そこまで辛くありませんでした。
なぜなら、自分で考えて行動を起こした結果だったからでしょう。
『やることはやった』という自負があり、心が軽い印象でした。
ほっと……成功談
数年前、50代後半女性Bさんが入職してきました。
Bさんとも馬が合わず、Bさんが翌日仕事が休みだとホッとしている自分がいました。
けど、このままでは仕事が楽しくできないと思い、ある行動を考えて実行しました。
それは料理の話をすることでした。
私が利用者に料理の話をしていたら、Bさんも聞いていたようで、Bさんが話に入ってくることが3度ありました。
料理の話題をチャンスと考え、仕事が休みの度に私は料理を行い、料理の味・作り方・疑問点をBさんに話しかける口実にしました。
するとBさんも乗り気で聞いてくれて、料理の話題作戦は成功でした。
今では、現場の困りごとを協力して共に考え知恵を出し合う仲間となり、関係性は良好です。
行動して、仕事のストレスを減らそう
実は…先程の失敗談は、本当は失敗ではないと思っています。なぜなら、私が頭を使って考えて行動した結果だからです。それに相手側の課題でもあると感じています。
私が思うに、『失敗ではない』と感じるには『自身の実体験』が必要です。そして、当たり前ですが『失敗は成功のもと』は、真実でした。失敗のようで実は、感覚的な成功体験であり、次の成功談につながるための要素でした。
介護現場における人間関係の悩みを解決方法は、ケースにより様々です。自分の問題かもしれないし、相手の問題かも知れません。また相性の可能性もあります。
しかし、介護現場にはスタッフ間のコミュニケーションが必須と言えます。
まずやることは、自分が出来る対応策を1つ考えて、行動に移すことです。
『目を見て挨拶をする』、『少しでもしゃべりかけてみる』も良しです。なんでもいいです。行動に移せば、2人の関係性に何か変化が起きると思います。そしたらまた、次のステップを考えればよいです。
実は、頭で考えてるだけでは何も変化は起きません。それは即ち、座っているだけです。
行動に移して、人間関係を少しでも良くすれば、仕事のストレスも減り、人生がプラスに傾くと思います。
介護現場をコミュニケーションという武器を使って、自分自身でやりがいのある職場を仲間と共に
作り上げ、素敵な人生にしたいものです。
かいご畑はこれから介護士を始める方に重要な資格 ”介護職員初任者研修" を働きながら無料で取得することができます。
最後までお読みいただきありがとうございました。
介護の仕事を検討されている方は下記の記事もぜひお読みください。次のステップが出やすくなれば幸いです。
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