・入浴拒否の切り返し話法のレパートリーが欲しい!
そんな悩みにこたえます。
本記事では、認知症の方を入浴に誘った際、断られた時の切り返し話法をご紹介します。
"入浴に拒否がある方"がいる日の入浴当番は、正直、気が重くなりませんか?
介護歴10年で様々な入浴拒否の場面を見ました。
また、実際に身をもって肌で感じました。
ご利用者の断りを受けて切り返しの言葉が出てこないと、「入浴」は成立しませんよね?
そこで、スタッフで話し合って試行錯誤を繰り返し、いくつかの切り返し話法ができました。
”入浴のお断り” を受けて、困っているスタッフさんのお役に立てれば幸いです。
こんな方におすすめ
- ”お風呂に入れなければならない” プレッシャーを感じる方
- 入浴担当の日に ”入浴拒否のご利用者” がいる方
- 入浴拒否のにおける切り返し話法のレパートリーを増やしたい方
この記事を書いたひと
✅デイサービス生活相談員 兼 介護職 11年目
✅日々のレク制作と担当 900回以上
✅社会福祉士・介護福祉士・介護支援専門員の資格あり
✅他職種からの転職組40代男性
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僕の事業所のネタを共有します。参考にどうぞ!
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認知症の方が入浴を拒否する理由
そもそも、認知症の方がお風呂を嫌がることには理由があります。
それはなぜでしょうか?
実際の介護現場で感じた”気付き”をご紹介します。
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参考【実体験】認知症で入浴拒否の方が浴室に向かうコツを介護士が解説
認知症で入浴拒否がある方のお断りを切り返す話法10選
実際の介護現場で、僕らが活用する「入浴拒否の切り返し話法」をご紹介します。
入浴拒否の切り返し話法は、大きく2つに分けられます。
メモ
✅入浴をしたくなる切り返し話法
✅入浴せざるを得ない切り返し話法
「言葉かけ」は、それぞれのカテゴリに沿った内容が求められます。
利用者のタイプに合う話法が、効果は出やすいと思いますよ。
では以下、カテゴリ別にまとめます。
<入浴したくなる切り返し話法>
①『ここの温泉は、お肌がスベスベになるんですって。』
②『〇〇さん肌きれい!背中も見ていいですか?(脱いでもらう)』
③『〇〇さん、力を貸してください!お湯の温度、確認してもらえますか?』
④『〇〇さん、肌がスベスベ!洗顔の仕方を見せてくださいよ。』
⑤『〇〇さん、着替えの服が似合いそうですね。見たい見たい!』
⑥『職員が洗います。〇〇さんは気持ち良く湯舟に浸かるだけ。』
<入浴をせざるを得ない切り返し話法>
①『ご家族から着替えを預かったので、着替えましょう。』
②『お家のお風呂が故障中なので、ここでサッと入りましょう。』
③『うぁ…髪がベッタリ!髪をパパっと洗いましょう。』
④『臭うと言われてましたよ。軽く体だけ流しましょう。』
では、順を追って解説していきますね。
入浴したくなる切り返し話法
できれば ”プラスな印象の言葉かけ” を使いたいものですよね?
入浴が利用者にプラスに作用する切り返し話法をご紹介します。
①『ここの温泉は、お肌がスベスベになるそうですよ。』
温泉が嫌いな方はあまりいません。
一方、美容に関心がある方は多数います。
つまり、誰でも当てはまるステキな誘い文句ですよね。
ただ、ご利用者の中には温泉がイメージしにくい方もいるでしょう。
その場合、インターネットで見つけた画像のカラー印刷とラミネートをおススメ!
温泉画像を見せながら話すと、ご利用者は理解がしやすいです。
しかもラミネート処理をしており何回も使えますよ。
②『〇〇さん肌きれい!背中も見ていいですか?(脱いでもらう)』
やや強引かもしれませんが、悪い印象なく入浴が実施できればOKです。
褒めると同時に、衣服を脱がしていきます。
上半身が脱げたら、「足首も細そう!見ていいですか?」と脱衣を進めてみましょう。
もちろん、嫌がられたら止めましょう。
③『私、冷え性なんです。○○さん、お湯の温度を確認してもらえますか?』
ヒトは役割を持つと、行動する意欲が高まるもの。
服を着たまま、浴槽の湯温を手で確認してもらってOK!
視覚と触覚で ”お風呂” を認識されます。
そして『お礼にお風呂入ってどうぞ』と誘います。
お風呂の認識度が上がっています。また感謝されて、まんざらでもない心地よさもあるはず。
よって、脱いでもらえる確率は上がると思いますよ。
④『〇〇さん、肌がスベスベ!洗顔の仕方を見せてくださいよ。』
”洗顔の仕方” という各個人のやり方を突く切り返しです。
脱衣所・浴室どちらでも洗顔していただいてOK!
お風呂の気分に少し近づければ、入浴の可能性は上がります。
ご利用者は視覚と触覚でお風呂を認識できています。
間髪入れず、入浴のお声かけをしてみましょう。
⑤『〇〇さん、着替えの服が似合いそう。見たいです!』
「着替えの服を着た様子をスタッフが見たいから、お風呂に入ってもらう作戦」です。
”入浴した後に着替えをする” という流れが理解できるご利用者なら活用可。
「その後の想像ができる」「見通しを立てれる」ご利用者に対して、有効な話術と思います。
⑤『職員が洗います。〇〇さんは湯舟に気持ちよく浸かるだけ。』
「入浴を面倒に感じている方」に効果的な切り返し話法。
この話法は効果が高く、僕も何回も使っていておススメです。
実際は浴室に入ると、案外ご自身である程度洗うものです。
入浴をせざるを得ない切り返し話法
ご利用者に入浴の緊急性を訴える方法です。
以下、解説します。
①『ご家族から着替えを預かったので、着替えましょう。』
”ご家族の好意を無駄にするのは失礼”というスタンスで、ご利用者の善意に訴えます。
比較的どの利用者にも使える切り返し話法。
”着替える”という名目ですが、脱衣時に「せっかくなので湯舟に浸かるだけ浸かろう」という話に展開すると自然な流れになります。
②『お家のお風呂が故障中なので、ここでサッと入りましょう。』
「そんな話、誰が信じるの?」と思うかもしれません。
しかし、僕の統計では功率は高かったです。素直なご利用者に向いている話法です。
③『うぁ…髪がベッタリ!髪をパパっと洗いましょう。』
ご利用者を選んで言う必要がありますが、効果は高いです。
なぜなら、本当に髪が油髪でベットリなら、周囲に対して恥ずかしいですよね?
さらに、ご利用者が不快に感じたり怒る可能性もあります。
そのため、”思い悩まずフットワークが軽いご利用者” に向く話法です。
⑤『臭うと言われてましたよ。軽く体だけ流しましょう。』
上記話法の ”臭いバージョン” ですね。
この話法も配慮して必要があります。
ご利用者によって、ショックを受けたり、怒る可能性もあるからです。
ご利用者と常日頃の関係性が良いならば、意外と使いやすく有効な方法ですよ。
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まとめ|入浴できれば、最高の『嘘も方便』
認知症が原因で入浴拒否のある方だって、実際に湯舟に浸かると多くの方が喜びます。
効果は、清潔の保持や全身の状況観察以外にもあります。
それは、普段より発語が増えたり、表情が出にくい方が自然と良い表情になることもあります。
”お断りを切り返す話法” とは、いわゆる『ウソも方便』ですね。
つまり、事実と異なる誘い文句や応酬話法は、入浴に限らず認知症の方に対して有効かつ必要な介護技術と僕は思います。
それにより、清潔を保つことができるし、楽しい気分にもなれます。
なので、誘い文句や応酬話法を適切に活用して、入浴の可能性を広げていきましょう!
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\朝の会のスピーチで「今日は何の日」の話をする方は必見!/
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